• 5月 24, 2025

手足口病の症状と対処法|子どもを守るための完全ガイド2025

手足口病とは?

「手足口病」をご存知でしょうか。小さなお子さんがいるご家庭では、保育園や幼稚園からお便りをもらったり、実際にお子さんがかかったりした経験があるかもしれません。

手足口病は、主に夏場に流行する子どもの感染症です。 名前の通り、手のひらや足の裏、口の中に特徴的な発疹(ほっしん)や水ぶくれができる病気です。大人でも発症する場合があり、歩けないほどの足裏の痛みに襲われる場合もあります。

多くの場合は軽い症状で済みますが、まれに重い合併症を起こすこともあります。 そのため、正しい知識を持って適切に対処することが大切です。

この記事では、手足口病の症状や対処法、予防方法について詳しく解説します。 お子さんの健康を守るために、ぜひ参考にしてください。

【手足口病の症状と原因】基本的な知識を理解しよう

手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどのウイルスが原因で起こる感染症です。 これらのウイルスは、私たちの身の回りに普通に存在しているものです。

主な症状は、病気の名前が示すように手のひら、足の裏、口の中に現れる発疹です。 発疹は小さな水ぶくれのような形をしており、周りが赤くなっていることが特徴です。

手のひらや足の裏だけでなく、手の甲や足の甲、指の間にも発疹が出ることがあります。 また、お尻や膝、肘などにも同じような発疹が現れる場合があります。

口の中の発疹は、舌や歯ぐき、ほっぺたの内側などにできます。 この口の中の発疹は痛みを伴うことが多く、お子さんが食事を嫌がったり、よだれが増えたりする原因になります。

熱が出ることもありますが、多くの場合は37度から38度程度の軽い発熱です。 高熱が続くことは少なく、2日から3日で下がることが一般的です。

手足口病にかかりやすいのは、主に5歳以下の子どもです。 特に1歳から3歳頃の子どもに多く見られます。

大人もかかることがありますが、子どもに比べて症状が重くなりやすい傾向があります。 大人の場合、手足の発疹が痛くて歩きにくくなったり、仕事に支障が出たりすることもあります。

【手足口病の治療と家庭でのケア方法】症状を和らげる対処法

手足口病には、ウイルスを直接やっつける特効薬はありません。 そのため、治療は症状を和らげる対症療法(たいしょうりょうほう)が中心になります。

対症療法とは、病気の原因を治すのではなく、つらい症状を軽くする治療のことです。 多くの場合、1週間から10日程度で自然に回復します。

まず大切なのは、十分な水分補給です。 口の中の発疹が痛くて飲み物を嫌がることがありますが、脱水症状を防ぐために少しずつでも水分を取らせましょう。

冷たい飲み物や氷を使った飲み物は、口の中の痛みを和らげる効果があります。 アイスクリームやゼリーなども、痛みを軽くしながら栄養を取る良い方法です。

食事については、刺激の少ない柔らかいものを選びましょう。 おかゆ、うどん、バナナ、ヨーグルトなどがおすすめです。

酸っぱいものや辛いもの、熱いものは口の中の痛みを強くするので避けてください。 無理に食べさせる必要はありませんが、水分だけは必ず取るようにしましょう。

発疹のかゆみがある場合は、患部を清潔に保ち、爪を短く切っておきましょう。 かきむしって傷になると、細菌による二次感染の心配があります。

熱が高い場合や機嫌が悪い場合は、解熱剤を使うこともあります。 ただし、熱が4日以上続く場合や水分摂取が困難となり尿量が減っている場合は医師に相談してください。

入浴については、熱がなく元気であれば問題ありません。 ただし、発疹をこすらないよう注意し、入浴後はタオルで優しく押さえるように拭きましょう。

【手足口病の予防と感染対策】家族みんなで気をつけるポイント

手足口病は感染力の強い病気で、主にくしゃみや咳といった細かな水しぶきによる飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染によって広がります。

接触感染は、ウイルスが付いた手で口や鼻を触ることで起こります。 おもちゃやタオルなどを共有することでも感染する可能性があります。

最も効果的な予防方法は、こまめな手洗いです。 石けんを使って、指の間や爪の周りまでしっかりと洗いましょう。

手洗いは20秒以上かけて行うのが理想的です。 お子さんには、歌を歌いながら楽しく手洗いする習慣をつけてあげましょう。

アルコール系の手指消毒剤も有効ですが、手足口病の原因ウイルスにはアルコールが効きにくい場合があります。 そのため、基本的には石けんでの手洗いを優先してください。

感染した人の便には、症状が治まった後も数週間ウイルスが排出されます。 おむつ替えの後は、特に注意深く手洗いを行いましょう。

タオルや食器の共用は避け、こまめに洗濯や消毒を行うことも大切です。 おもちゃなども定期的に消毒しましょう。

手足口病にかかった場合の登園・登校については、明確な基準はありません。 しかし、熱が下がり、口の中の痛みがなくなって普通に食事ができるようになってから登園・登校するのが一般的です。

発疹だけが残っている状態であれば、他の人への感染リスクは低いとされています。 ただし、保育園や幼稚園によって方針が異なる場合があるので、必ず確認してください。

家族内での感染を防ぐためには、患者と他の家族のタオルを分ける、食器を共用しない、こまめに手洗いをするなどの対策が重要です。

特に妊娠中の方や、免疫力が低下している方がいる家庭では、より注意が必要です。

手足口病のほとんどは軽症で済みますが、まれに髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎(のうえん)などの重い合併症を起こすことがあります。 高熱が続く、激しい頭痛、嘔吐、意識がもうろうとするなどの症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。

手足口病について正しく理解し、適切な対処と予防を行うことで、お子さんの健康を守ることができます。 心配なことがあれば、遠慮せずに医療機関に相談してください。

わかばファミリークリニック

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