• 5月 6, 2026

【千葉市・2026年度最新】65歳の肺炎球菌ワクチンが変わりました|プレベナー20の費用・対象・接種歴別まとめ

医療はどうしても「具合が悪くなってから受ける」事後対応になりがちです。しかし肺炎球菌ワクチンは、数少ない「効果の高い予防医療」の一つです。脳卒中・心筋梗塞・がんへの備えを考える方は多い。でも、その次に高齢者の命を脅かす「肺炎」への備えは、まだ十分でない方が少なくありません。元気なうちにこそ、打っておいてほしいワクチンです。

「肺炎球菌ワクチン、お知らせが来たのにどうすればいいの?」「前に打ったニューモバックスと何が違うの?」——2026年4月から制度が大きく変わり、そんな質問が外来でも増えています。

結論を先にお伝えすると、65歳の方の定期接種ワクチンが「ニューモバックス(PPSV23)」から「プレベナー20(PCV20)」に変わり、千葉市では自己負担額6,000円(非課税世帯は3,000円)で接種できます。そして最大のポイントは、5年ごとに打ち直す必要がなくなったことです。

この記事では、家庭医の立場から、変更の意味・費用・誰が対象か・すでにニューモバックスを打った方への対応を、できるだけわかりやすくお伝えします。

1|「お孫さんからうつる肺炎」を知っていますか?

まず、肺炎球菌の感染経路について少しお話しします。

高齢者の肺炎球菌感染症は、必ずしも外出先でかかるわけではありません。以前から、「子どもや孫から菌をもらって発症している可能性がある」と指摘されてきました。肺炎球菌は子どもの鼻や喉に常在しやすく、元気な子どもには症状がなくても、免疫力の低下した高齢者に感染すると重症化することがあります。

実際、小児への肺炎球菌ワクチン接種が普及するにつれて、高齢者の肺炎球菌感染症も減少傾向が観察されています。これを「集団免疫効果(間接効果)」と呼びます。ワクチンを打っていない高齢者も、周囲の子どもたちの接種によって守られてきた側面があります。

ただし、油断は禁物です。子どもへの接種率がどれだけ上がっても、高齢者自身の免疫力の低下はカバーしきれません。ご自身のワクチン接種は、やはり必要です。

そして2024年10月から、小児の定期接種ワクチンはPCV20(プレベナー20)に変わっています。2026年4月からは高齢者の定期接種も同じPCV20になりました。

お孫さんと同じワクチンを打つ時代になりました。世代を超えて、家族みんなで肺炎球菌から身を守る仕組みが整いつつあります。

2|何がどう変わったか:3つのポイント

ポイント① ワクチンの「種類」が変わった

これまでの定期接種ワクチン「ニューモバックス(PPSV23)」は23種類の血清型をカバーする歴史あるワクチンですが、免疫の「記憶」を作る仕組みが弱く、数年で効果が薄れる特性がありました。

新しい「プレベナー20(PCV20)」は「結合型ワクチン(コンジュゲートワクチン)」という仕組みで、免疫記憶をしっかりと形成します。その結果、従来ワクチンと比べて予防効果が高く、持続性も優れていると考えられています。カバーできる血清型は20種類ですが、市中肺炎の原因となりやすい型を重点的にカバーしており、実臨床での有効性データも蓄積されてきています。「PPSV23より数字が小さいから効果が弱い」訳ではないことを誤解のないようにしてください。

ポイント② 「5年ごとの再接種」が不要になった

ニューモバックスは免疫が5年程度で弱まるため、再接種が推奨されていました。「前に打ったけど、また打たないといけない?」という声を外来でよく聞きました。

プレベナー20は、原則として1回の接種で完了します。2026年4月の最新ガイドライン(第8版)では効果持続を「5年程度と推定」と慎重に記載していますが、ニューモバックスのように「定期的に繰り返す」ことは推奨されていません。患者さんにとって、管理がシンプルになります。

ポイント③ 千葉市の自己負担額が6,000円に変更

ワクチン自体の価格が変わったため、千葉市の自己負担額も変更になりました。以下が令和8年度の金額です。

区分対象自己負担額
一般上記以外の方6,000円
一部免除(半額)市民税非課税世帯
(介護保険料段階1〜3段階)
3,000円
全額免除生活保護・中国残留邦人等支援給付受給者無料

千葉市では接種券の個別送付はありません。予診票は市内協力医療機関または区役所・保健福祉センターで入手できます。当院でもご用意しています。

なお、定期接種の対象外の方(過去に接種歴あり・66歳以上など)が任意接種(自費)で受ける場合の当院での費用は13,000円(税込)です。

3|ワクチン一覧:何が変わり、何が残るか

ニューモバックス
(PPSV23)
バクニュバンス
(PCV15)
プレベナー20
(PCV20)
キャップバックス
(PCV21)
種類多糖体結合型結合型結合型
カバー血清型数23種15種20種21種
高齢者定期接種〜2026年3月対象外◎ 2026年4月〜対象外(任意)
小児定期接種対象外原則終了◎ 2024年10月〜対象外
再接種5年ごと原則不要原則不要原則不要
免疫記憶形成なしありありあり

※ PCV21(キャップバックス)は2025年10月に成人向けに承認された最新ワクチンです。国内の侵襲性肺炎球菌感染症に対する血清型カバー率が約78%と最も高く、特に高齢者で問題となりやすい耐性菌の型を多くカバーしている点が特徴です。「PCV20よりカバーしている菌株が1種類多い」という単純な構造ではなく、対応している菌株の種類は21種類ですが、PCV20とはその菌株の種類が異なります。なお、当院では現時点でキャップバックスの取り扱いはありません。接種をご希望の方は他院へのご紹介も対応しますので、ご相談ください。

4|自分は接種できる? 対象者・スケジュール一覧

定期接種(公費助成あり)の対象

  • 65歳の方(65歳の誕生日前日〜66歳の誕生日前日まで接種可)
  • 60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器機能または免疫機能に身体障害1級の障害がある方
  • 注意:公費・自費を問わず、過去に一度でも肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方は定期接種の対象外

接種歴別の対応

接種歴推奨される対応
ワクチン未接種(65歳)定期接種(PCV20)を1回接種 → 以後の接種は原則不要
ニューモバックス(PPSV23)接種済み定期接種の対象外。1年以上あければPCV20を任意接種(自費13,000円)として選択可
60〜64歳・重篤な基礎疾患あり(身体障害1級相当)定期接種(PCV20)の対象。接種時に身体障害者手帳の写しが必要

5|よくあるご質問

Q1.千葉市から接種券は届きますか?

千葉市では個別通知・接種券の送付は行っていません。対象の方は直接、協力医療機関(当院含む)にご予約ください。予診票は当院でご用意しています。定期接種(公費)の自己負担は6,000円、任意接種(自費)の場合は13,000円(税込)です。

Q2.ニューモバックスをすでに打っています。プレベナー20の定期接種(公費)は受けられますか?

残念ながら、過去に一度でも肺炎球菌ワクチンを接種した方は定期接種の対象外です。ただし、前回接種から1年以上あければ、プレベナー20を任意接種(自費13,000円)として受けることができます。接種歴をお持ちの上でご相談ください。

Q3.「プレベナー20は一生に1回でいい」と聞いたのですが?

以前はそのような説明がされることもありましたが、2026年4月の最新ガイドライン(第8版)では「5年程度持続すると推定」と改訂されています。ただし、ニューモバックスのように「5年ごとに定期的に繰り返す」必要はなく、現時点では再接種のデータがまだ蓄積中です。今後ガイドラインが更新される可能性があります。

Q4.糖尿病・心疾患があります。接種できますか?

むしろ接種をお勧めしたい方です。慢性疾患をお持ちの方は肺炎球菌感染症が重症化しやすく、定期接種の意義が大きい。当院では内科・家庭医として基礎疾患の管理と合わせてワクチン相談にも対応しています。

Q5.副反応はどの程度ですか?

接種部位の痛み・腫れが最も多く、倦怠感・筋肉痛・頭痛も10〜40%程度に報告されています。多くは数日以内に改善します。まれにアナフィラキシーが起こる可能性があるため、接種後15〜30分は院内でお待ちいただきます。

6|当院(わかばファミリークリニック)での接種について

わかばファミリークリニックは、千葉市若葉区でかかりつけ医(主に内科・小児科・産婦人科・皮膚科)を担っています。千葉市の肺炎球菌ワクチン定期接種の協力医療機関として、プレベナー20の定期接種に対応しています。

  • 予診票は当院にご用意があります(接種券の個別送付はありません)
  • 接種歴が不明な方、ニューモバックス接種済みの方の相談にも対応します
  • 糖尿病・高血圧・心疾患など基礎疾患の管理と合わせてワクチン計画を立てたい方はぜひご相談ください
  • 日曜日も診療しています(水曜・土曜・祝日は休診)
  • 千歳台駅から徒歩9分

「自分は対象?」「接種歴があるけどどうすれば?」——まずはお気軽にご来院・お電話ください。

まとめ

  • 2026年4月から、65歳対象の定期接種ワクチンがプレベナー20(PCV20)に変わりました
  • 千葉市の自己負担額は6,000円(非課税世帯は3,000円、生活保護は無料)。接種券の個別送付はなし
  • プレベナー20は従来より予防効果が高く、原則1回接種で完了(5年ごとの繰り返し不要)
  • 小児も高齢者も同じPCV20で守る時代に。お孫さんからの感染リスクに備えることが、家族全体の予防につながります
  • 過去に接種歴がある方は定期接種対象外。ただし1年以上あければ任意接種(自費13,000円)が選択肢に
  • 接種歴・基礎疾患で推奨が変わるため、かかりつけ医への相談がおすすめです

今お元気な方こそ、ぜひ「元気なうちに」接種してください。脳卒中・心筋梗塞・がんと並んで、高齢者の命を脅かす「肺炎」への備えを、ぜひ早めにご検討ください。


監修・執筆:水谷(わかばファミリークリニック院長 / 家庭医・産婦人科専門医)
参考文献
1. 日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会合同委員会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版)」2026年4月1日
2. 千葉市医療政策課「令和8年度 高齢者肺炎球菌予防接種のご案内」
3. こどもとおとなのワクチンサイト(vaccine4all.jp)肺炎球菌ワクチン(15価、20価、21価)
4. 厚生労働省 高齢者の肺炎球菌ワクチン関連資料

わかばファミリークリニック

WEB予約 ホームページ