• 7月 27, 2024

手足口病・症状と対策

手足口病とはどんな病気ですか?

 手足口病は、主にエンテロウイルスによって引き起こされる感染症で、特に夏場に流行します。
2024年は例年の数倍の感染者数で大流行の年となりました。ウイルス感染後、3〜5日の潜伏期間の後、口の中、手のひら、足の裏に2~5mmくらいの小さなが現れます​。発疹は口の周りや手の甲や足の甲、膝、肘、さらにはお尻や背中にも広がることがあります​。発疹は通常、数日で改善傾向に向かいますが、口内炎がひどくなると痛みのため、食事や水分の摂取が困難になることがあります​ 。主に就学前のお子さんで多い感染症ですが、大人も発症することがあり、大人の方が症状がひどく足の裏の発疹の痛みで歩けなくなってしまうケースもあります。(厚生労働省:手足口病

どんな症状がでますか?

発疹: 2〜5mmの水疱性発疹が口の中、手のひら、足底に現れ、痛みを伴います。場合によっては、発疹が膨れて白くなることもあります。頭髪内にはできないので、水ぼうそうとの区別のために参考とします。通常何もしなくても改善しますが、かゆみがひどかったり下記崩して湿疹になった場合や、感染症を合併した場合は内服や外用薬を使用します。

発熱: 微熱(37度台)から38度以上の高熱を約1/3のケースで認めます。熱は数日続きますが、4日以上高熱が続く場合は他の感染症のチェックのために受診をしたほうがいいでしょう。

口内炎: 発疹が潰れた後に痛みを伴う口内炎が生じ、食事や水分を摂るのが難しくなります​。口内炎に使用できる外用薬はあまりなく、口内炎ができやすいのが喉の奥のため、外用は現実的ではありません。解熱鎮痛薬を定期的に使用することで痛みの緩和をはかり、飲水や食事を促していきます。

髄膜炎:まれですが、髄膜炎や小脳失調症、脳炎といった合併症や、心筋炎、肺水腫、麻痺など、重篤な合併症が起こることがあります。手足口病の典型的な症状はみとめずに重症化するケースもあり、感染予防に注意を払う必要があります。

どうやって診断しますか?検査でわかりますか?

 見た目や症状で診断します。抗原検査などは実施していません。

治療法について教えて下さい。

 抗ウイルス薬などはないため、水分をとり、体をあたためて免疫力で自然に治るのを待ちます。熱や痛みにたいしては解熱鎮痛薬による対症療法を行います。一時的に食事量はおちますが、水分がとれていてオシッコが普段通り出ていれば脱水の心配ありません。発疹は通常は自然消失するため、おくすりは使いません。ただし、かゆみが強いときや発疹を掻き崩してしまったり、皮膚に感染症を合併していると判断される場合は、かゆみ止めの内服や外用・抗生物質が使用されることもあります。

どのように対処すればよいでしょうか?

 感染対策の基本として、接触感染を予防するためには、手洗いと排泄物の適切な処理が欠かせません。特に保育施設などで乳幼児が集団生活をしている場合、職員と子どもたちが正しい手洗いを徹底することが重要です。おむつ交換時には、排泄物を適切に処理し、流水と石けんでしっかりと手を洗うことが必要です。また、タオルを共用せず、個別に使用するようにしましょう。

 また、アルコール消毒や次亜塩素酸消毒も有効な手段です。ただし、手足口病の原因であるエンテロウイルスにはアルコール消毒の有効性はそれほど高くないため、次亜塩素酸消毒の使用や手洗いの徹底が推奨されます。

いつから登園させてよいでしょうか?

 インフルエンザやコロナのように明確な日数の規定はありません。

・熱がさがっている。

・飲食がある程度できている。

・発疹は残っていても構わない。

落ち着いてきたな、そろそろ行けそうだなと感じた段階で医療機関へご相談ください。通常、2-3日もあれば体調は落ち着いてくることが多いです。

どうやって予防したらよいですか?

 手足口病には有効なワクチンや予防薬が存在しないため、日頃の予防対策が重要となります。

まとめ

 手足口病は、特に幼児が集団生活を送る場所で注意が必要な感染症です。日常的な手洗いや消毒の徹底が、感染拡大を防ぐための最も効果的な対策です。手洗いや消毒を習慣化し、予防に努めましょう。また、発症した場合は、他の人への感染を防ぐことが重要です。

有効なワクチンや予防薬がないため、日頃からの予防対策が非常に大切です。
私たち一人一人が感染対策をしっかりと行うことで、感染拡大を抑制していきましょう。

 

わかばファミリークリニック

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