• 6月 27, 2026

BMI30以上・肥満症でお悩みの方へ|千葉市若葉区で保険診療から自費マンジャロまで【2026年】

「健診でBMI30以上と言われたが、どこに相談すればいい?」「血圧が高くて、いびきもひどい。体重と関係があるの?」——こうした疑問をお持ちの方は少なくありません。

体重が増えること自体は「肥満」ですが、高血圧・睡眠時無呼吸・脂質異常症など健康障害を伴うようになると、医学的な治療が必要な「肥満症」という疾患になります。ダイエットではなく、医療として取り組む必要があります。

📋 この記事でわかること

  • 「肥満」と「肥満症」の違いと診断基準
  • 肥満症に伴う11の健康障害(睡眠時無呼吸・高血圧など)
  • 食事療法・運動療法・睡眠改善の具体的アプローチ
  • 管理栄養士による栄養指導(保険適用)で1か月でも変化が出る理由
  • 自費マンジャロ(チルゼパチド)の正しい位置づけと安全性
  • 初診からの受診の流れ

「肥満」と「肥満症」はまったく別の話

「肥満」とは、BMI(Body Mass Index:体格指数)が25.0以上の状態を指します。これは体型の分類であり、それ自体は疾患ではありません。一方、「肥満症」は医学的な治療が必要な疾患であり、日本肥満学会の診断基準に基づいて診断されます。

肥満症の診断基準(日本肥満学会 肥満症診療ガイドライン2022)

BMI 25以上の肥満に該当し、以下の(A)または(B)のいずれかを満たす場合に「肥満症」と診断されます。

区分条件
(A) 健康障害の合併肥満に起因・関連する下記11の健康障害のうち1つ以上を合併する
(B) 内臓脂肪型肥満腹部CT検査で内臓脂肪面積が100cm²以上と確定診断された場合

肥満症に関連する11の健康障害

カテゴリ健康障害
代謝系耐糖能障害(糖尿病・糖尿病予備群)/脂質異常症/高尿酸血症・痛風
循環器系高血圧/冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)/脳梗塞・一過性脳虚血発作
呼吸・睡眠閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
消化器非アルコール性脂肪性肝疾患
運動器・腎変形性関節症・腰椎症などの運動器疾患/肥満関連腎臓病
婦人科月経異常・不妊

また、BMI 35以上は「高度肥満症」として区別され、より積極的な介入が推奨されます。

🩺 院長より

外来でよく感じるのは、肥満症の方が「体重を何とかしなければ」と体重だけに意識が向いてしまい、高血圧や睡眠時無呼吸といった併存疾患の治療が後回しになっているケースが少なくないということです。肥満症の治療は体重を落とすことだけが目的ではなく、これらの健康障害を包括的に評価・管理することが本質です。総合診療・家庭医療はこうした横断的な診療に強みを発揮します。

なぜ「体重だけ見る」では不十分なのか——睡眠時無呼吸との深い関係

肥満症とSAS(Sleep Apnea Syndrome:睡眠時無呼吸症候群)の関連は特に重要です。肥満によって首まわりや気道周囲に脂肪が蓄積すると、睡眠中に気道が塞がりやすくなります。SASがあると睡眠の質が著しく低下し、日中の強い眠気・集中力の低下・高血圧の悪化などをきたします。

睡眠不足が「痩せにくい体」を作る悪循環

SASによる睡眠不足は、さらに体重管理を困難にします。そのメカニズムは以下の通りです。

  • コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌増加——睡眠不足により副腎からコルチゾールが過剰に分泌され、食欲増進・脂肪蓄積・血糖上昇が起こります
  • グレリン増加・レプチン低下——食欲を促進するグレリンが増え、満腹感を伝えるレプチンが減るため、過食につながります
  • 活動量の低下——日中の眠気により身体活動が減少し、消費カロリーが低下します

🩺 院長より

「食事に気をつけているのに体重が落ちない」という方に睡眠の状況を詳しく伺うと、いびきがひどい、日中眠い、夜中に何度も目が覚めるといった訴えがあることがあります。こうした場合、まずSASの検査と治療を並行して進めることが重要です。体重が落ち始めると気道周囲の脂肪が減り、AHI(Apnea Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)が改善し、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)を卒業できた方もいらっしゃいます。睡眠と体重管理は切り離せない問題です。

当院のSAS診療体制
自宅で行う簡易PSG(Polysomnography:ポリソムノグラフィー)検査に対応しています。肥満症の診療と並行してSASの評価・CPAP療法の導入まで一貫して対応可能です。

肥満症治療の3本柱——食事・運動・行動療法

肥満症の治療は、まず非薬物療法(食事療法・運動療法・行動療法)から始めることが原則です。薬物療法はこれらを十分に実施してもなお効果が不十分な場合に検討します。

① 食事療法

食事療法は肥満症治療の根幹です。日本肥満学会のガイドラインでは、エネルギー摂取量の目安として以下が推奨されています。

対象摂取エネルギーの目安
BMI 25以上35未満の肥満症標準体重(kg)× 25kcal/日以下
BMI 35以上の高度肥満症標準体重(kg)× 20〜25kcal/日以下

栄養バランスの目安は糖質50〜65%、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%が一般的です。単純にカロリーを制限するだけでなく、ビタミン・ミネラルを十分に摂取することが筋肉量の維持と代謝の安定に重要です。

② 運動療法

有酸素運動は糖・脂質代謝の改善や血圧低下に有効であり、筋力トレーニング(レジスタンス運動)は減量中の筋肉量低下を防ぐ効果があります。

⚠️ 運動を始める前に必ず医師へご相談を
心疾患・変形性関節症・糖尿病による合併症(網膜症など)がある場合は、運動の種類・強度に制限が必要です。当院では診察時に皆様の体の状態に合わせた運動のアドバイス・カウンセリングを行っています。

「激しい運動をしなければ意味がない」ということはなく、まず日常の歩数や立位時間を増やすことから始めることを当院では推奨しています。

③ 行動療法

食事・運動習慣の背景には、ストレスによる過食・夜間の大食い・間食のクセなど、行動パターンの問題があることが少なくありません。当院では診察の中で食行動の振り返りを行い、実生活で無理なく続けられる改善策を一緒に考えていきます。

🩺 院長より

減量が少しずつ進み始めると、皆様の様子が変わってくるのを外来でよく感じます。体が動きやすくなるだけでなく、気分も前向きになり、「もう少し頑張ってみます」という言葉が出てくるようになります。最初の一歩が一番大変ですが、体重が落ち始めると好循環が生まれ、治療への意欲も自然と高まっていきます。

管理栄養士による栄養指導(保険適用)——1か月でも変化は出る

当院には管理栄養士が在籍しており、肥満症・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの疾患をお持ちの方を対象に、保険診療内での栄養指導を実施しています。

「ちょっとした気づき」が大きな変化につながる

「栄養指導」と聞くと、「厳しい食事制限を課されるのでは」と構えてしまう方もいらっしゃいます。しかし実際には、食習慣のほんの一部を見直すだけで体重や血液データに変化が現れることは珍しくありません。

たとえば「白米の量を少し減らす」「夕食後の間食をやめてみる」「食べる順番を野菜から始める」——こうしたひとつの気づきと実践が、1か月後の変化につながることがあります。管理栄養士は皆様の生活環境・食の好み・調理の習慣を丁寧に伺いながら、無理なく続けられる具体的な改善策をともに考えます。

栄養指導でできること

  • 現在の食事内容の評価と問題点の整理
  • 目標カロリー・栄養バランスの個別設定
  • 外食・コンビニ食の選び方など実践的なアドバイス
  • 体重推移に応じた食事内容の見直し
  • 減量停滞期の対処法と継続支援

栄養指導は医師の指示のもと、保険適用で受けていただけます(対象疾患により条件があります)。詳しくは受診時にお気軽にご相談ください。

自費マンジャロ(チルゼパチド)処方——正しく知って、正しく使う

そもそもマンジャロとは何か

チルゼパチドは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の両受容体に作用する薬剤(デュアルアゴニスト)です。食欲を抑制しながら血糖をコントロールする作用を持ちます。

「マンジャロ」は日本では2型糖尿病の治療薬として承認されており、同じ成分の「ゼップバウンド」は海外で肥満症治療薬として承認されています。

保険適用の状況——正確にお伝えします

⚠️ 現時点での保険適用について
マンジャロ(チルゼパチド)は、日本では2型糖尿病に対してのみ保険適用です。肥満症への保険適用はありません。また、ゼップバウンドを肥満症へ保険処方するには専門施設・医師・患者の各要件が非常に厳しく、現時点でクリニック規模での対応は困難です。当院では自費診療として提供しています。

「マンジャロは危険」は本当か——安全性について

SNSや一部メディアで「マンジャロは危ない」「違法だ」といった情報が拡散されています。これらの多くは、医師の監督なしに美容・ダイエット目的で使用される不適切な使用の問題です。

チルゼパチドは、2型糖尿病を対象とした大規模臨床試験において安全性が確認されており、適切な適応と管理のもとで使用する限り、許容範囲内の安全性プロファイルを持つ薬剤です(主な副作用は悪心・嘔吐・下痢などの消化器症状で、多くは一時的なものです)。

当院では、肥満症外来での診察・検査を経て適応を判断したうえで処方しており、「希望すれば誰でも処方する」ということはありません。薬を適切に使うための診療体制が前提です。

他剤との比較——チルゼパチドが選ばれる理由

現在、肥満症・体重管理に用いられる主な薬剤を比較します。

薬剤名成分作用機序費用感(自費)
ウゴービセマグルチドGLP-1受容体作動薬高め
ゼップバウンドチルゼパチドGIP/GLP-1デュアル中程度
マンジャロ(当院処方)チルゼパチド(同一成分)GIP/GLP-1デュアル3剤の中で最も安価

マンジャロとゼップバウンドは同一成分(チルゼパチド)であり、薬理作用・効果・副作用プロファイルは同等です。マンジャロは2型糖尿病薬として承認・供給されているため、ゼップバウンドやウゴービと比較して自費診療では最も費用を抑えやすいという特徴があります。

当院での自費マンジャロ処方の方針

🩺 院長より

チルゼパチドは効果の高い薬ですが、栄養療法(±運動療法)に真剣に取り組んでいただくと、薬なしで十分な結果が出る方も多くいらっしゃいます。薬物療法が必要な方に対しても、初期用量から隔週程度の使用で十分な効果が得られるケースがほとんどで、必要以上に高用量・高頻度に使うことは当院では推奨していません。「まず薬」ではなく、「薬は必要な方に、適切な量で」というのが当院の方針です。

自費マンジャロ処方をご希望の方へ
処方には条件があり、すべての方に処方できるわけではありません。まず肥満症外来を受診いただき、問診・採血・必要に応じた検査のうえで医師が適応を判断します。ご希望の方は受診時またはお電話にてお問い合わせください。

千葉市の取り組み——「肥満と肥満症ほっとかない!プロジェクト」

千葉市は2026年度より、千葉大学およびノボノルディスクファーマと連携し、「千葉市 肥満と肥満症ほっとかない!プロジェクト」を実施しています。令和8年度の特定健康診査を受診した方のうち、肥満症が疑われると判定された方に医療機関受診を促す案内が送付されます。

千葉市が公開している協力医療機関リストも参考にしてください。

千葉市の特定健診について
千葉市国民健康保険に加入している40〜74歳の方は、令和8年度特定健診(令和8年5月〜令和9年2月28日)を自己負担500円で受診できます。
※詳細は千葉市公式サイト(特定健康診査・健康診査)をご確認ください。

初診からの受診の流れ

「肥満症の治療を受けたいけれど、何をするのかわからない」という方のために、当院での受診の流れをご説明します。

📋 肥満症外来・受診の流れ

  • 1初診・問診——現在の症状・生活習慣・食事内容・睡眠の状況などを詳しくお伺いします。肥満になった経緯や既往歴も確認します。

  • 2身体計測・採血等の検査——身長・体重・腹囲・血圧の測定と、血液検査(血糖・脂質・肝機能・腎機能・尿酸など)を実施します。心電図・腹部エコーが必要な場合は院内で対応可能です。

  • 3SAS(睡眠時無呼吸症候群)の評価——いびき・日中の眠気など睡眠に関する症状がある場合は、必要に応じて自宅での簡易PSG(ポリソムノグラフィー)検査を手配します。

  • 4治療方針の決定——検査結果をもとに、食事療法・運動療法・栄養指導・薬物療法(自費マンジャロ含む)の組み合わせを医師がご提案します。

  • 5管理栄養士による栄養指導(保険適用)——適応のある方には管理栄養士の栄養指導を開始します。

  • 6定期フォロー——体重・血圧・血液データの推移を確認しながら治療内容を調整します。自費マンジャロ処方中の方は定期的な受診が必要です。

🏥 わかばファミリークリニック 診療案内

所在地千葉県千葉市若葉区千城台東3-1-2
アクセス千葉都市モノレール2号線「千城台駅」徒歩9分
診療科内科・小児科・産婦人科・皮膚科
平日診療月・火・木・金 9:00〜12:00 / 14:30〜17:30
日曜診療9:00〜12:00 / 13:30〜17:00
休診日水曜・土曜・祝日(日曜が祝日の場合は診療あり)
WEB予約クリニックHPよりWEB予約が可能です

執筆者プロフィール

水谷 佳敬(みずたに よしのり)

わかばファミリークリニック 院長 / 医療法人社団ヴェルフィーユ 理事長

2006年 東邦大学医学部 卒業

日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医

2023年10月 千葉市若葉区にわかばファミリークリニックを開設

参考文献・情報源

  • 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」ライフサイエンス出版
  • 日本肥満学会「肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント」(2025年4月改訂版)
  • 千葉市「特定健康診査・健康診査」(2026年5月更新)https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/kenkofukushi/shien/kenshin24.html
  • 千葉市「千葉市 肥満と肥満症ほっとかない!プロジェクト」(2026年6月更新)https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/kenkofukushi/shien/himannsyou.html
  • 厚生労働省「チルゼパチド(マンジャロ)最適使用推進ガイドライン」

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