予防接種について
当クリニックでは、成人向けの予防接種、小児予防接種として各種ワクチン接種を行っています。予約制となりますので、事前にお問い合わせください。
ワクチンとは、感染症の原因とされるウイルスなどの病原体の病原性を弱める、もしくは無毒化してつくられた薬剤のことです。これを体内に注入することで、その病原体が原因となる感染症への免疫をつけることができます。これにより感染の予防、もしくは万が一感染した場合にも重症化のリスクを低下させることができます。
他にも、予防接種は個人の感染予防になることはもちろん、多くの方が予防接種を受けることで免疫を獲得していると、集団の中に感染者が出た場合にも、流行を阻止することができます。
小児用ワクチン
赤ちゃんは、産まれた時にはお母さんから多くの免疫をもらっていますが、これは成長とともに減少していきます。これを補い、さまざまなの感染症を予防するのが小児予防接種の役割です。小児の予防接種は大変種類が多いため、接種のスケジュールについてもご相談の上、計画的に実施いたします。
出典:KNOW★VPD!ホームページ
(https://www.know-vpd.jp/)
当院で扱う小児用ワクチン
- BCG
- 五種混合
- 四種混合
- 二種混合(DT)
- インフルエンザB型
- 肺炎球菌
- B型肝炎
- 日本脳炎
- ロタウイルス
- 麻疹・風疹(MR)
- 水痘
- おたふくかぜ(ムンプス)
- 破傷風トキソイド
大人用ワクチン
下記のワクチンを扱っております。
- インフルエンザワクチン
- 成人用肺炎球菌ワクチン
- 帯状疱疹ワクチン
- RSウイルスワクチン
- HPVワクチン
- 風疹ワクチン
当院で行う自費ワクチン
予防接種 | 費用 |
---|---|
B型肝炎ワクチン | 5,000円(税込) |
日本脳炎ワクチン | 7,000円(税込) |
水痘 (みずぼうそう) |
7,000円(税込) |
ムンプス (おたふくかぜ) |
6,000円(税込) |
高齢者肺炎球菌ワクチン | 8,000円(税込) |
麻疹・風疹ワクチン(MR) | 10,000円(税込) |
風疹ワクチン | 6,000円(税込) |
シングリックス(帯状疱疹) | 22,000円(税込) |
シルガード9(HPVワクチン) | 30,000円(税込) |
アブリスボ(RSウイルスワクチン) | 33,000円(税込) |
子宮頸がんワクチン
子宮頸がんワクチンの種類と効果
子宮頸がんワクチンには①サーバリックス(2価)②ガーダシル(4価)③シルガード9(9価)の3つがあります。いずれも公費(無料)で接種が可能です。公費で接種可能な対象は下記の2通りの場合です。
A.小学6年生~高校1年生
B.平成9年度から平成17年度生まれの女性(令和7年3月まで)
男性が接種することで性感染症としてHPVの伝搬を抑える効果があることも知られており、男性も接種可能です。男性の場合、公費の対象とならないため自費となります。子宮頸がんの原因は99%がヒトパピローマウイルス(HPV:Human papiloma virus)由来とされています。HPVはイボの原因ともなる身近なウイルスで、200種類以上が知られています。そのうち、子宮頸がんの70%に関与するとされている16番や18番を中心にワクチンが製造されています。当院では高い効果が期待できることから、シルガード9を推奨しています。
- ①サーバリックス(2価)
- 16番、18番の2種類に対して免疫を獲得することを目的としたワクチンです。子宮頸がんの予防効果はワクチンを接種しなかった場合のリスクを1とすると、0.3-0.4程度までのリスク減少効果があります。
- ②ガーダシル(4価)
- 16、18番に加えて、尖圭コンジローマ(性器などに小さなイボが密集する皮膚病)の原因となる6, 11番を加えた4種類のHPVに対して免疫を獲得することを目的としたワクチンです。子宮頸がんの予防効果はワクチンを接種しなかった場合のリスクを1とすると、0.3-0.4程度までのリスク減少効果があります。
- ③シルガード9(9価)
- ガーダシルの6,11,16,18番に加えて、子宮頸がんの原因となりうる31,33,45,52,58番を含めた合計9種類のHPVをカバーしたワクチンです。子宮頸がんの予防効果はワクチンを接種しなかった場合のリスクを1とすると0.1程度までのリスク減少効果があります。
ワクチンのみでは子宮頸がんを100%予防することは困難ですので、20歳から定期的な子宮がん検診をお勧めします。ワクチンと健診を組み合わせることで子宮頸がんとなる手前の状態(異形成)でほぼ確実に診断が可能となり、早期治療が開始できます。
子宮頸がんワクチン(HPV)の安全性について
過去にサーバリックスとガーダシルのワクチン接種後に重大な副作用が報じられましたが、後の調査で因果関係は否定され、問題が国内に限定されていたことから、報道や心理的影響、偶然の他疾患発症などが原因と考えられています。
2023年には、子宮頸がん予防効果が高く、安全性に問題がないとされるシルガードが発売され、国内での子宮頸がんワクチンとして普及しています。HPVワクチンは腕の腫れや痛みなどの副作用があり、非常に稀ですが重大な副作用のリスクもあります。しかし、HPV感染による子宮頸がんの予防という大きな利益を考えると、ワクチン接種の重要性が強調されます。
日本では年間1万人が子宮頸がんと診断され、3千人がこのがんで亡くなっており、特に20代や30代の女性に影響が大きいです。ご家族で予防方法について話し合うことが推奨されます。